アメリカのガレージセール文化

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はじめに

アメリカの住宅街を歩いていると、週末に “Garage Sale” や “Yard Sale” と書かれたサインを見かけることがあります。

私がアメリカに住んでいた頃も、近所の家の前やガレージに、家具やおもちゃ、洋服、本などが並べられている光景を何度も見かけました。最初は「これはお店なの?それともフリーマーケット?」と少し不思議に思ったのを覚えています。

日本では、不要になったものを売るといえばフリーマーケットやメルカリのイメージがありますが、アメリカでは家の前で気軽に中古品を売るガレージセールが、週末のローカルな文化として身近にあります。 私自身も、アメリカ滞在中にガレージセールで自転車を買ってもらったことがありました。

今回は、そんなアメリカのガレージセール文化について、日本との違いや実際に感じたことを紹介します。

ガレージセールってなに?

ガレージセールとは、家で使わなくなったものを、自宅のガレージや庭先、家の前などに並べて売る中古品セールのことです。

英語では garage sale のほかに、yard sale と呼ばれることもあります。 garage は「車庫」、yard は「庭」という意味なので、どこで売るかによって呼び方が少し変わりますが、どちらも「家の前で行う中古品セール」という意味で使われます。

売られているものは、洋服、靴、本、おもちゃ、食器、家具、子ども用品、自転車などさまざまです。家の中で不要になったものを処分する目的で行われることが多く、値段もかなり安く設定されていることがあります。

日本のフリーマーケットに少し似ていますが、公園やイベント会場に出店するというより、アメリカでは自宅の前で気軽に開くのが特徴です。近所の人や通りかかった人がふらっと立ち寄ることもあり、より生活に近いローカルな文化という印象でした。

ガレッジセールで自転車を買ってもらった話

私のホストファミリーは、とてもアクティブな家族でした。ホストパパはマウンテンバイクが趣味のひとつで、ホストママもランニングが好きで、仕事が終わったあとによく走りに行っていました。

ある日、いつものようにランニングから帰ってきたホストママが、少し興奮した様子でこう教えてくれました。

「ガレージセールで、良さそうなマウンテンバイクが売ってたよ!」

私もホストファミリーの影響で、アメリカにいる間にマウンテンバイクに乗るようになっていました。普段はホストママのマウンテンバイクを借りていたのですが、ホストママは小柄だったため、私には少しサイズが小さめでした。するとホストママが、「あなたに合うかもしれないから、ホストパパと一緒に見に行ってきたら?」と言ってくれました。 そこで早速、ホストパパと一緒にそのガレージセールへ見に行くことにしました。

そこには、シルバーのかっこいいマウンテンバイクが置いてありました。試しに乗ってみると、サイズもちょうどよく、乗り心地もいい感じ。 私が気に入った様子を見て、ホストパパが「気に入ったなら買おう」と言って、その自転車を買ってくれ���した。たしか150ドルくらいだったと思います。 その自転車は「Marin(マリン)」というメーカーのもので、マウンテンバイクの老舗ブランドでした。当時は詳しく知らなかったのですが、あとからマウンテンバイク文化と関わりの深いメーカーだと知って、ますます愛着がわきました。

私はその自転車をとても気に入っていて、帰国するときには日本に持って帰りたいと思ったほどでした。でも、自転車を日本まで運ぶのは大変ですし、日本ではマウンテンバイクに乗れる場所もあまりないだろうなと思い、泣く泣く置いて帰ることにしました。 最近、ふと「あの自転車は今どうなっているんだろう」と気になってホストファミリーに聞いてみたところ、なんとまだガレージに保管してあるとのこと。写真まで送ってくれました。 もう10年以上前にガレージセールで買った自転車です。しかも、おそらく1980年代後半に作られた古いマウンテンバイクだと聞いていたので、今でも乗れる状態で残っていることに驚きました。 私のあとに来た歴代のオペアたちもその自転車に乗っていたそうで、本当に長持ちする自転車なんだなと感心します。いつかまた、あのシルバーのマウンテンバイクに乗れる日が来たらいいなと思っています。

日本のフリーマーケットやリサイクルショップとの違い

日本でも、使わなくなったものをフリーマーケットに出したり、メルカリなどのオンラインサービスで売買したり、リサイクルショップに持ち込んで買い取ってもらったりする人は多いですよね。 アメリカにも、eBayやCraigslistといったオンラインの取引サイトがありますし、もちろんリサイクルショップもあります。

その中でもガレージセールは、一般の家庭が自宅のガレージや庭先で開くところが大きな特徴です。お店に売りに行くというより、自分の家の前に不要になったものを並べて、近所の人や通りかかった人に直接見てもらうようなスタイルです。商品を実際に手に取って確認できる安心感があり、値段交渉をすることもあります。週末に開かれることもあれば、引っ越しのタイミングで不用品をまとめて処分するために開かれることもあります。

日本のフリーマーケットは、イベント会場などにお店を出すイメージがありますが、アメリカのガレージセールは、自宅の前で開くもっと身近なものという印象でした。

ガレージセールの魅力

ガレージセールは、アメリカで生活していると何度も目にするくらい、ごく日常の一部になっているものです。 私が自転車を買ってもらったときのように、たまたま気になるものを見かけて、ふらっと立ち寄り、実際に手に取って見て、気に入れば持ち主に話を聞いて買うことができます。お店で新品を買うのとはまた違う、ちょっとした出会いのような楽しさがあります。

日本でも「物を大切にする」という考え方はありますが、一方で新品を好む人も多いように感じます。特に家や車、家具などは、できれば新しいものを選びたいという感覚もありますよね。 アメリカでは、もちろん新品を買う人もいますが、状態がよければ中古でも気にせず使う人が多い印象がありました。家も車も家具も、自転車も、メンテナンスしながら長く使い、必要なくなったら次の人に譲る。そういう感覚が、ガレージセールという文化にもつながっているのかなと思います。 誰かが使わなくなったものが、別の誰かにとっては必要なものになる。そんなふうに物が自然に次の人へ渡っていくところも、ガレージセールの魅力だと感じました。

まとめ

ガレージセールは、ただ安く不用品を売り買いする場所というだけではなく、アメリカの暮らしや価値観を感じられる場所でもあります。

もしアメリカでガレージセールを見かけることがあれば、ぜひ一度立ち寄ってみてください。思いがけない掘り出し物や、ちょっとした出会いがあるかもしれません。

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