アメリカと日本、子育てのリアルな違いとは? Part.1

はじめに
日本で子育てをしていると、ふと「あれ?アメリカではどうだったっけ?」と考えることがあります。私はかつてオペアとしてアメリカで2年間子どもと関わり、今は一児の母として日本で子育て中。この2つの経験から見えてきた、“日米の子育ての違い”について、リアルな視点でお話ししたいと思います。
オペア(オーペア)時代について
私はなんとなく英語が好きで、なんとなく英語系の大学に進学しました。 しかし、大学を卒業してホテルに就職しても、実際に英語を使う場面では全く自信がなく、外国人からの問い合わせにうまく対応できませんでした。結局、英語が得意なスタッフに代わってもらうことが多く、悔しさやもどかしさを感じていました。
そんな中、留学経験のあるフロントスタッフが流暢な英語でスマートに対応する姿に憧れ、「自分もあんなふうに話せるようになりたい」と思うようになりました。そこから海外留学やワーキングホリデーについて調べていくうちに、「オペア留学」という選択肢に出会いました。
小さいころから子どもが大好きだった私にとって、「子どものお世話をしながらホームステイができる」というオペアは、まさに自分にぴったりの制度だと感じました。
私のホストファミリーは、日系アメリカ人の父親とイタリア系アメリカ人の母親、そして3歳と0歳の男の子2人という4人家族でした。ホストパパは日系2世で英語しか話しませんでしたが、3歳の男の子は日本語のインターナショナルスクールに通っていたので、その子とは日本語でもコミュニケーションが取れました。 両親ともに理学療法士で、基本的には土日休み。ホストパパは在宅勤務もある柔軟な働き方をしていました。私はこの家族と2年間、アメリカで生活を共にしました。
父親の子育て参加について
オペアとしてアメリカに滞在していた間、私自身のホストファミリーを含め、現地で知り合った何組かの家庭と接する機会がありました。その中で、日本と大きく違うと感じたのが、父親の育児への参加率の高さです。
私のホストファミリーでは、2番目の男の子が生まれたとき、生後3か月までは母親が育休を取り、その後、生後6か月までは父親が育休を取って在宅保育をしていました。これは日本ではあまり聞かないパターンですよね。
日本では、父親が育休を取るとしても、母親と同時期に取得するケースがほとんどです。
アメリカでは、有給での育児休暇制度が一般的ではないため、育休は基本的に「無給」です。そのため、経済的な事情もあって母親が早期に職場復帰するケースが多いのですが、それを補うように父親���育児にしっかり関わる文化が根づいていると感じました。
平日の夜には家族そろって夕食を取る家庭が多く、仕事から帰宅した父親が子どもを連れて散歩やサイクリングに出かける姿もよく見かけます。
日本から遊びに来た私の友人は「小さい頃にこんなに父親と遊んだり、平日に一緒にご飯を食べたりした記憶がない」と驚いていました。 もちろん、お風呂や寝かしつけも母親だけでなく、父親が“当たり前のように”こなしているのです。日本では“イクメン”と特別視されるようなことが、アメリカでは日常的なこと。父親が育児の主役の一人として自然に存在している社会だと強く感じました。
日本では、特に乳幼児期は「ママじゃなきゃイヤ!」というお子さんが多い印象ですが、私のホストキッズたちは完全に“ダディっ子”でした。

教育・習い事の考え方の違い
アメリカの幼児教育(保育・デイケア)は、日本と比べて費用が高額です。さらに、日本のように国が制度を統一しているわけではなく、アメリカでは州ごとに仕組みや基準が異なり、多くが民間施設で運営されています。また、義務教育が始まるのは一般的に5歳からです。
私がオペアとして過ごしたホストファミリーでは、上の子が3歳から5歳まで、下の子は2歳から5歳までモンテッソーリ教育を取り入れた日本語のインターナショナルスクールに通っていました。はっきりした金額は覚えていませんが、1人あたり月に2,000ドル以上かかっていたと思います。日本でもインターナショナルスクールは高額ですが、ここまで高いケースは少ないかもしれません。
費用の違いもさることながら、印象的だったのが「園の発表会」です。外部のホールを借りて行われた発表会では、子どもたちが歌や踊りを披露したのですが、まったく動きが揃っていないことに驚きました。中には自由に歩き回る子や、ステージの上で座り込んでしまう子も。最初は少し戸惑いましたが、アメリカではこうした「自由な表現」が大切にされていて、日本のように「完璧に揃える」ことは求められていないのだと感じました。もちろん事前に練習はしていたはずですが、それでも子ども一人ひとりの個性や気分が尊重されていることが伝わってきました。
このような価値観は、習い事の考え方にも表れています。たとえばホストキッズはミュージッククラスに通っていて、そこでは楽器に自由に触れながら音を出すことを楽しんでいました。家には電子ピアノがあり、子どもが少しでも鍵盤を鳴らすと、ホストママは「すごいね!ミュージッククラスのおかげだね!」と大げさなくらいに褒めていました。
日本では習い事に成果や上達を求めがちですが、アメリカでは「過程」や「関心を持つこと」自体が大事にされていると感じました。小さな好奇心や行動を大切にし、積極的に褒める姿勢が印象的でした。
親になっても夫婦の時間を大切に:デートナイト文化
アメリカでは、たとえ子どもがいても、月に一度は誰かに子どもを預けて夫婦だけの時間を過ごすことが一般的です。いわゆる「デートナイト」と呼ばれるこの習慣では、子どもたちが夕食を食べているころに夫婦が外出し、レストランでの食事や映画などを楽しんで、子どもたちが寝た頃に帰宅します。 子どもたちもこの習慣に慣れていて、「いってらっしゃい」と笑顔で送り出してくれることが多いです。
日本ではベビーシッター文化がまだあまり浸透しておらず、「夫婦の時間のために子どもを預ける」こと自体に抵抗感を持つ人も多いかもしれません。 しかしアメリカでは、夫婦が意識的に“ふたりの時間”を持つことが、家族の土台を支える大切な要素とされています。私が見てきた家庭でも、どこも自然な形でデートナイトを日常に取り入れていました。

今回はここまでにして、次回Part.2では「子どもとの向き合い方」や「しつけの違い」、そして「医療や健康管理に対する考え方」についてご紹介したいと思います。アメリカと日本、それぞれの文化や価値観がどのように子育てに表れているのか、引き続きお伝えしていきます。







